水のなかでも、アルカリイオン水は胃腸の調子を良くするとされています。アルカリイオン水というのはよく耳にしますが、実際にはどのような水なのでしょうか。日本で知られるようになったのはアルカリイオン整水器が販売されはじめた1950年頃でしょうか。その後、1965年には、「アルカリイオン水は飲用して、胃腸内異常発酵、慢性下痢、消化不良、制酸、胃酸過多に有効である」「弱酸性のアストリンゼントとして美容に用いられる」と当時の厚生省がアルカリイオン水の効果と効能を認定したことから、人気が出てきました。アルカリイオン水にどうしてそのような効能があるのかということはまだ解明されていませんが、実際に飲んでみた実感はみなさん満足しているようです。
水をアルカリイオン整水器などによって電気分解したものがアルカリイオン水です。貯留式と流水式がありますが、主流は流水式です。溶存水素が多く、酸化還元電位が生成前に比べ低くなります。電極を用いて水溶液に電圧をかけると、陽極では陰イオンが酸化し、陰極では陽イオンが還元されます。陰極では水素が発生して、溶液はアルカリ性になります。それを取り出してアルカリイオン水として飲用するのに使用されます。
水の中でもアルカリイオン水は、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分がイオン化されたものを多く含んでおり、口当たりがやわらかく、喉越しが良いのが特徴です。体液と同じアルカリ性で、吸収、排泄が速いという特徴もあります。アルカリイオン水は飲用することは、胃腸内異常発酵、慢性下痢、消化不良、制酸、胃酸過多に有効であると厚生省が認定していますが、その他にも骨粗鬆症の人の骨密度が改善されたり、体内脂肪が低下するなどの効果もみられています。
水を必ず使う料理にもアルカリイオン水は活用できます。弱酸性物質はアルカリ性にするとイオン化するため水溶性が増大するからです。たとえば、昆布でだしをとるときにアルカリイオン水を使うと旨味成分であるグルタミン酸は弱酸性物質なので、グルタミン酸が通常の水の2倍も抽出できるのです。それから、パン生地をねるときの水にアルカリイオン水を使うとパンがふっくらと焼きあがるとも言われています。
水を使っての洗浄作業にもアルカリイオン水を使うと良い点があります。たとえば、水溶液を弱アルカリ性にする性質を持つ重曹は脂質を落とす効果があるので洗剤として使われていますが、アルカリイオン水にも同じような効果がみられるのです。アルカリイオン水は水と塩でできるので費用も安く油脂を落とす効果があり、さらに界面活性剤よりも環境に安全なものであることから注目されています。